FXを始めるためにはFX会社に口座を開設します。長期に渡って運用する場合、やはり費用と利益を重視すべきだと考えます。私は現在、SBI FXトレードと松井証券FXの2社の口座を利用していますが、その理由を述べます。
スプレッド比較
FXの取引コストには、「取引手数料」と「スプレッド」があります。
取引手数料は無料としている会社が多く、私はこれが有料の会社は選択肢から外しました。
スプレッドは各社で異なります。また、通貨ペアによって別々に設定されているため、どの通貨ペアを取引するかによって実際の自分にとってのスプレッドが決まります。私は現在米ドル/円と豪ドル/円の2種類を取引していますが、口座開設時にはどの通貨を取引するか決めておらず、最も代表的な米ドル/円を基準に比較検討しました。あらためて2025/6/20時点のスプレッドを数社比較すると、下表のとおりです。
FX会社と口座 | 米ドル/円 | 順位 | 豪ドル/円 | 順位 |
---|---|---|---|---|
SBI FXトレード「SBI FXトレード」 | 0.18銭 | 1 | 0.48銭 | 1 |
松井証券「松井証券FX」 | 0.20銭 | 2 | 0.50銭 | 2 |
GMOクリック証券「FXネオ」 | 0.20銭 | 2 | 0.50銭 | 2 |
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」 | 1.10銭 | 5 | 0.70銭 | 5 |
トレイダーズ証券「みんなのFX」 (カッコ内はLIGHTペア) | 0.20銭 (0.18銭) | 2 | 0.50銭 (0.48銭) | 2 |
これらの比較のなかで、私が利用しているSBI FXトレードと松井証券が一位と二位です。
スワップポイント比較
スワップポイントは、外貨を預けている間、毎日利息として利益または損失になりますので非常に重要です。各FX会社のWEBページにはスワップポイントカレンダーが公開されていて、日付単位で変動していることが分かります。これは各通貨の政策金利によって左右されますので、各FX会社とも同じように上がったり下がったりします。従って、他社よりスワップポイントが高い会社は、相対的に高い値で推移する傾向が続きます。これもスプレッドと同じく、どの通貨ペアを取引するかによって実際の自分にとってのスワップポイントが決まりますが、口座開設時には、代表的な米ドル/円を基準に比較検討しました。あらためて2025/6/20時点のスワップポイントを数社比較すると、下表のとおりです。
FX会社と口座 | 米ドル/円 | 順位 | 豪ドル/円 | 順位 |
---|---|---|---|---|
SBI FXトレード「SBI FXトレード」 | 159円 | 2 | 86円 | 4 |
松井証券「松井証券FX」 | 145円 | 5 | 73円 | 5 |
GMOクリック証券「FXネオ」 | 160円 | 1 | 93円 | 1 |
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」 | 156円 | 3 | 87円 | 2 |
トレイダーズ証券「みんなのFX」 (カッコ内はLIGHTペア) | 156円 (161円) | 3 | 88円 (93円) | 3 |
これら口座比較のなかで、米ドル/円はGMOクリック証券に続きSBI FXトレードが僅差の二位です。豪ドル/円は、SBI FXトレードも松井証券も他社に負けていますが、それでは、今からでも見直して口座変更すべきなのか?については、この後に述べる要素が関わります。
補足ですが、表中の「みんなのFX」には通常のスワップポイントと、LIGHTペアのスワップポイントの2種類があります。LIGHTペアとは、1取引の最大発注数量と決済待ちの建玉数量に上限がある代わりにスプレッドとスワップポイントが有利な設定になる通貨ペアで、2025/4/7から取り扱いが開始されました。数量の上限値は私を含めて個人投資家であれば十分な量ですので、今後はこれに対抗する他社の動きにも注目したいところです。
SBI経済圏
SBIグループは、FXだけでなく証券や銀行などさまざまなサービスを提供していて、それらを連携利用することでメリットがあります。そのため私は、SBI FXトレード、住信SBIネット銀行、SBI証券、三井住友カードをあわせて、いわゆるSBI経済圏を利用しています。
住信SBIネット銀行のSBI FXトレードNEOBANKサービスは、SBI FXトレードに口座を持つ人が利用できます。円普通預金の金利がその他支店より高い0.4%であり、ネット銀行のなかでも最上位じゃないでしょうか。それに、銀行口座からFX口座への即時入出金が可能です。FX口座の預託金はロスカットに備えて十分入金しておくべきですが、何事もなければ利息もつかずにただお金を寝せていることになります。そこで私は、普段は使わない預託金をFX口座に置くのではなく銀行口座に預金することで、高利息を得ながらいつでもFX口座に即時入金できるようにしています。例えば、500万円の証拠金をFX口座ではなく銀行口座に置いた場合の利息は、
5,000,000円 x 0.4%=20,000円/年(税引き後15,900円)
また、住信SBIネット銀行に口座があれば、SBI証券との便利な連携サービスを使いたくなるし、SBI証券に三井住友カードから積立を行うことで、お得にVポイントを貯められるのもSBI経済圏のメリットです。FXには直接は関わらないですが、例えば、SBI証券のNISAに毎月10万円を積み立てて三井住友カードゴールド(NL)で決済を行うとたまる年間のVポイントは、
100,000円 x 1% x 12か月=12,000ポイント(=12,000円相当)
このように経済圏をうまく利用することで、前に述べたスプレッドやスワップポイント以外のメリットが得られます。
自動売買機能
私が取引手法としているリピート系FXを行うには、繰り返し注文を自動でできる自動売買機能が大変便利です。しかし、スプレッドやスワップポイントの上位に並ぶFX口座には、これまで自動売買機能はありませんでした。そこで、コスト重視の私は、SBIFXトレード口座で手動でリピート注文を繰り返す作業をしていましたが、その後、松井証券が2023/4/22に自動売買機能をリリースしたことを知り、松井証券FX口座も開設しました。スワップポイントは上位他社には一歩及ばないものの、自動売買であれば24時間機会を逃さず取引して利益を増やすことができるため、許容範囲と判断しました。現在は、豪ドル/円の通貨ペアは松井証券FX口座で自動売買を利用して、もう一つの米ドル/円の通貨ペアは、価格変動幅が大きくポジションが膨らみやすいため、スワップポイント獲得を狙ってSBI FXトレード口座の利用を継続しています。
上に述べたスプレッド比較表のなかには自動売買機能を持つ口座がもうひとつあり、トレイダーズ証券の「みんなのFX」は、「みんなのシストレ」という自動売買機能を利用できます。これは、松井証券と同じように単純なリピート注文をするだけではなく、優秀なトレーダーと同じ設定を選んで自動売買を行ったり、自分で自由にプログラムを組むことができる多機能なタイプです。それではなぜこの口座を選ばなかったのか?ですが、やはりコストを気にしました。シストレを利用する場合、スプレッドが通常より高いようで、2024年の古いデータだと米ドル/円が3.5銭(松井証券は2025年0.2銭)、豪ドル/円が4.5銭(松井証券は2025年0.5銭)です。2025年にはスプレッドが改善されたようですが、情報は一般には公開されていなくて変動制です。これに対して松井証券は自動売買機能を利用しても通常取引とコスト差がなく、安心して利用できると考えました。
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